*クレジット&キューシートとは?*

納品フォーマット(放送用・VP/CM用共)に仕上げる過程で、クレジットやキューシートに
必要な事とはなんなのでしょうか?クレジット自体、書式というのは、限定されていないが、
必ず記載する事項がいくつかあります。ここでは、例として、
JPPA(日本ポストプロダクション協会)で規定されている物を例にとって説明を行います。

先ず。ひとえにクレジットとはいっても『放送用』・『VP/CM用』の2種が存在します。

◆クレジット



(CM/VP用クレジット(会社名等制作会社の名前が入る)


(放送用クレジット(放送日、録画日が入る)

上記のようにクレジットには2種類あり、JPPAに加入しているポストプロダクションは上記2種を
使用する場合が多い。書式は決まりであるが、デザイン等を変更している所も多く見られる。
とりあえず、どちらも役割として、見易く、必要な事が一目で確認できるデザインにする必要がある。
海外に納品する場合が生じても、現地の言語で記述すれば、上記内容で各国、通用する。

◆キューシート

完成したテープにはそのテープの内容を示す、キューシートの添付が必要になる。
キューシートの役割は、テープを再生してみなくてもおおよそのテープの内容と、
どのような状態で記録されたかが、一目でわかるように作られている。

上記のものも、JPPAの書式であるが、クレジット同様、必要事項が記載されていれば、
オリジナルの物を使っても問題はない。ただ、放送局側で管理している納品テープの場合、
放送局側のオリジナルキューシートの付属の場合もある。その場合はその放送局の
オリジナルキューシートを使用する。

◆キューシート内の語句の解説(シート内の右上部分の説明)


語句
◆EED--(check box)
編集済みのマスターテープはここにチェックを入れる
◆ORIG--(check box)
DUBに対してオリジナル(プリントマスター)の場合はチェックする
◆DUB--(check box)
DUBはダビングの意味。その場合はここにチェックを入れる
◆STOP CODE--(on/off)
STOPCODEは番組送出の時に番組開始点の数秒前で自動的に停止状態になるよう
にする停止信号。STOPCODEは普通局が入れるのでポスプロでは入れない。
◆EMPHASIS--(on/off)
デジタルオーディオのノイズリダクション装置。ほとんど使わない。
◆DOLBY--(SR/A/C/off)
アナログオーディオの場合に使用できるノイズリダクション装置。ドルビー自体
は3種類あるが、ベータカムSPではデフォルトでCがONになっている。
◆SYNC--(on/off)
V(Virtical~垂直)のブラインキング(フィールドの隙間があるかどうか)
1インチVTRでは、Vのブランキングだけ、別のヘッドで書いていたので、
ON/OFFができた。普通はSYNC ONしか、あり得ない。
◆VITC--(on/off) V(Virtical~垂直)のブラインキング(フィールドの隙間)に入れるタイムコード
SONYが開発し、提唱している。従来のTLCが音声トラックを利用していたのに
比べ、映像信号に入れてある。スローや、スチル状態であってもビデオヘッドは
回転し続ける為、間違い無い、正確なタイムコード値が得られるのが特徴。
◆T.C.--(DF/NDF)
タイムコードの種類。DFはドロップフレーム。NDFはノンドロップフレーム。
(※)ドロップフレームとノンドロップフレームとは?


一般的にビデオのフレームレートは「30フレーム/秒」つまり1秒間に30フレームと言われているが、NTSC方式映像信号は正確には「29.97フレーム/秒」の為、1時間に108フレーム(3.6秒)の誤差が生じる。これを修正する為の処置として、基本的には「30フレーム/秒」を踏襲しつつも、分単位の更新がされる前に、00と01のタイムコードを間引き、02からタイムコードを始める。これがドロップフレームだ。ただし、分が10の倍数(10分20分30分40分50分)の時は、タイムコードが00から始まる。

ドロップフレームに対して、タイムコードを全く、間引かない方法がノンドロップフレームだ。
ドロップフレームが放送番組向けであるのに対して、ノンドロップフレームはVP等のマスタリングで使用される。民生のDVはドロップフレームを採用している。









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